あめとてるてる坊主



 晴れ渡った空の下、右手に閉じたままの傘を持って、私はバス停に立った。

 彼と初めて会った場所で、私は思いを告げたかった。

 始まりがここなら、終わりもここがいい。

 お気に入りの傘にあのてるてる坊主をぶら下げた。

 ここぞというときに怖気づかないために。


 携帯は電源を切ったまま、家に置いてきた。

 彼があのメールを見たのかも、今日ここに来れるかも何も知らない。

 けれど私は待とうと思った。

 今日じゃなきゃ、私の決心は揺らいでしまう。

 明日じゃ、もう言えない。

 今日じゃなきゃいけない。