あめとてるてる坊主




 青い空に入道雲。

 蝉の鳴く声も心なしか少なくなってきた気がする。

 心なしか、涼しくなってきた気もする。

 握りしめた携帯には、未送信のメールが一件。

 何度も書いては消しを繰り返し、宛名とRE:とだけ書かれたメール。

 怖くて送れない返信メール。


 時は一刻一刻と過ぎていく。

 時間が経てば経つほど、気まずくなる。


「この、臆病者」


 口に出して自分を責めたら、泣きたくなった。

 こんな気持ちが続くくらいなら、いっそ潔く散ってしまったほうがましだ。