今日の空は月がまぶしい。

 まん丸のお月さま。

 散らばるお星さま。


 海風が涼しいから暑苦しいとは思わない。


「よ~し、早速始めちゃおう!」


 沙世ちゃんの一声で、私たちは花火を手に取った。


 打ち上げ花火とは違う手持ち花火。

 みんなで火を移し合って、笑った。

 なんだかそれは、臆病な私でも行動を起こしやすくて、天野君から何度も火を貰った。

 そして、何度も火をあげた。

 ただそれだけだけれど、みんなにしていることだけれど、笑みは溢れるばかりだった。