いい時間になるまで、適当に時間をつぶして、一人500円の予算で花火を買って。

 地元の工業高校の裏手にある海へと私たちはきた。

 海水浴とかできる綺麗な海辺ではないし、人が気軽に来れるような場所にもない。

 自転車だからこそ気軽に来れる場所。

 大人がわざわざ来ようとは思わない場所。


「ラッキー!今日、誰もいないじゃん!」

「不良といたらどうしようかと思った」


 私たちは笑い、松永さんから借りてきたバケツとライターとロウソク。

 砂場に突き刺したロウソクに火がともる。