早めに出たのに、すでに彼はバス停前にいた。 自転車にまたがった後ろ姿。 初めてみるジャージ姿だけど、見間違えるはずがなかった。 「ぁ……、天野君!」 その背中に声をかける。 私は少し駆けた。 振り返った彼に、私は少し足をゆるめる。 眼鏡をしていない。 眼鏡越しじゃないその目と目があった。