あめとてるてる坊主

 やってきた沙世ちゃんは、私と目が合うと困ったような笑顔を浮かべた。

 いつの間にか雨が降っていたようで、沙世ちゃんはしっとりとぬれていた。

 タオルを渡した私に、ごめんねと謝る沙世ちゃんは、いつもとどこか違っていた。

 その理由は分かり切ってはいても、胸の中はもやもやしていた。



 部屋に入ると、里美ちゃんがゆっくり振り返った。

 その目はまだ赤かったけれど、涙の跡はなかった。