あめとてるてる坊主

「……もしもし」

『もしもし、ごめん、突然電話して』

「ううん、どうしたの?」


 電話をする私を、里美ちゃんはじっと見ていた。

 何を思っているのか、わからなかった。


『……そこに、里ちゃんいる?』

「え?」

『そんな気がして』


 真っ赤な目を見つめ返す。

「いるよ」

『そっか……よかった。私も行っていい?』

「え……私はいいけど……」

『里ちゃんがイヤっていっても行くよ。晴ちゃんに話したいことあるの。里ちゃんから聞いてるだろうけど』


 小さく笑った声が聞こえた。