何度目かの汗をぬぐったころ、やっと花屋が見えてきた。 色とりどりの花が出迎えるそこを恐る恐る覗き込む。 なぜだか緊張する。 目に入った人物に、私は思わず隠れた。 隠れる必要なんてなかったのに、体が勝手に動いていた。 「それじゃ、また来ますね。瞬さん」 「いつもありがとうね、それじゃまたね。気をつけて」 「また、来ますから」