あめとてるてる坊主

 私には向けない目。

 でもその濁りない言葉で、沙世ちゃんの本気を悟るのは簡単だった。

 だから、臆病者の私は聞けなかった。

 それは誰なの?と。


「がんばって」


 私の放った言葉は何とも白々しかった。



 自分の部屋で、私は泣いた。