月曜日の昼休み。
いきなり玄関ホールでシンを見かけた。
胸が震える。
(素通りしても…いいよね?)
購買部がある玄関ホールは昼休みになると沢山の生徒達が集まる。
人ごみに紛れたらシンは私の姿に気が付かないと思って、私は足早に通り過ぎようとした。
「琴っ!」
突如名前を呼ばれ立ち止まってしまった私。
一瞬で分かった。
「シン…」
駆け寄ってくる彼女から逃げたいと思った。
しかし目の前で止まる彼女。
「琴、今日一緒に帰れる?」
彼女の目を見れない。
俯きながら言う。
「今日は…」
「お願い、あたしのこと避けないで。」
シンによって遮られた言葉。
聞こえてきた声はとても弱々しかった。
顔を上げて視線を交えると薄っすらだけど涙を浮かべている彼女がいた。
「うん…帰ろ?」
私がそう言うと彼女は嬉しそうに微笑んで「ありがとう」と言った。
ただ一緒に帰るだけのこと。
ずっと当たり前にやっていたことに対して言われた彼女の「ありがとう」がとても寂しく聞こえたの。
いきなり玄関ホールでシンを見かけた。
胸が震える。
(素通りしても…いいよね?)
購買部がある玄関ホールは昼休みになると沢山の生徒達が集まる。
人ごみに紛れたらシンは私の姿に気が付かないと思って、私は足早に通り過ぎようとした。
「琴っ!」
突如名前を呼ばれ立ち止まってしまった私。
一瞬で分かった。
「シン…」
駆け寄ってくる彼女から逃げたいと思った。
しかし目の前で止まる彼女。
「琴、今日一緒に帰れる?」
彼女の目を見れない。
俯きながら言う。
「今日は…」
「お願い、あたしのこと避けないで。」
シンによって遮られた言葉。
聞こえてきた声はとても弱々しかった。
顔を上げて視線を交えると薄っすらだけど涙を浮かべている彼女がいた。
「うん…帰ろ?」
私がそう言うと彼女は嬉しそうに微笑んで「ありがとう」と言った。
ただ一緒に帰るだけのこと。
ずっと当たり前にやっていたことに対して言われた彼女の「ありがとう」がとても寂しく聞こえたの。
