痛みはすぐに治まったものの教室に戻ってきた直後、気持ち悪さが襲ってきた。

（打ち所が悪かったかな？ちょっと休もう。）

机に伏せると私はそのまま眠ってしまった。



「琴！」

勢いよく教室の扉を開けられ、驚いて私も飛び起きざるを得なかった。

気がつくと外は薄暗くなっていて目の前にはショウゴが立っていた。

「ショウゴ、遅いよー部活あるなら先に言ってくれれば良かったのにー」

「ごめんな。」

悪気なんか全く無さそうに謝るショウゴ。

（ま、いいんだけどさ）

私はというといまだ気持ちの悪さは治まってはいなかったから少し苛々しながら切り出した。

「で、私に用って？」

「あ…えっと琴、彼氏いないよな？」

「あ…うん。」

（これって…）


「じゃあ、俺とかどうかな？」


（やっぱり…）


「ごめんー今誰とも付き合う気ないの。ショウゴのことが嫌いとかじゃないんだ。ごめんね。」


そう言って私はショウゴより先に教室を後にした。