「それ…は。その【好き】は…あたしと同じ【好き】ってこと…?」

「え?」

彼女の言葉に思わず顔を上げる。

そこにはいまだ信じられないような表情をしているシンがいた。


「琴とあたしが同じ気持ちだって…思っても、いいの?」

「うん…っ!うんっ!」

涙ながらに何度も頷く。


私への気持ちが離れてしまっているとずっと思っていたから。

こんな答えが聞けると思っていなかったから。

こんなにも温かい気持ちは何だろう。

心の中の何かが解けていく。



「ほん…とに?」

「うん!シン…大好きよ。」



私の答えを聞くと彼女の瞳にずっと溜まっていた涙が次から次へと零れ落ちていった。


―ガバッ


刹那シンに抱きしめられた。


「琴…琴…っ!」


彼女の呼びかけに答えるように腕をシンの背中に回した。


「琴、好き。…好き。」

「…うんっ」

「ずっと…っ、離れてからもずっと、忘れられなかった…っ!」

「…っ、うん」

「琴…大好きだよぉ。」



夕日が落ちようとしていてもまだまだ明るい。

そんな中で私たちはしばらく抱き合って声を上げて泣いていた。

今日がこんなに幸せな日になるとは思っていなかったよ。


嬉しくて、嬉しくてもう死んでもいいくらい。

涙なんか止まらないよ。

あなたに逢いたくて溜まらなかったもの。

もう絶対に離さないよ。