思い返してみると私はいつも誰かに守られていて、支えられていた。


ショウゴが背中を押してくれなかったら、シンへの想いにずっと蓋をしてその上からまた鍵を掛けて死ぬまで気付けないようにしてたよ。



【シンに会いたい。】



箱の中にパンパンに入っていたこの気持ちを一度開けてしまったらもう戻せない。


私もう自由になるよ。

自分の気持ちを殺すことはとても心が痛いから。


【同性に恋をする】


テレビや本に出てくる同性愛者に対しては抵抗なんてなかったはずなのに、自分のことには目を向けられていなかった。

シンの気持ちを拒んで、自分の気持ちに嘘を吐いて認められていなかった私は私自身が同性愛について抵抗があったから。

私の中に取りきれない偏見があったはずなの。

ショウゴが言ってくれたように、それを拘ることに何の意味がある。


子孫を作る人間の本能レベルの問題とか世間に反することだとか。


それに何の意味がある?

人の目を気にして自分なりの幸せを手放すことのどこに意味なんてある?

そんな偏見やプライドはもういらない。


ショウゴが気付かせてくれたから。

彼は私をひとつの結論へと導いてくれた優しい翼。





私はただシンに会って伝えたい。

あなたの心にはもう届かないかもしれないけれど。