どのくらいの時間が経ったんだろう。 「おい」 誰かに声をかけられて、私は顔を上げた。 「あ、」 そこにいたのは、ハルだった。 残り少なくなった太陽の朱が、ハルの顔を照らしていた。 長めの前髪の透き間から、相変わらず強い光を放つ瞳が私を捉えていた。 「久しぶりだな」 ハルは言った。 「そうだね」 私は少しだけ笑って答えた。 ハルが少し黙りこんだ。そして、 「お前、暇か?」