「……ッ!!」 あたしの呼吸が止まった。 まるで胸をつかまれたようだった。 脱色された髪。 耳元でキラリと光るピアス。 切れ長の瞳は、どことなく威厳を感じ、 ゆるく着崩された制服がとてつもなくかっこいい。 全てがバランスよく整っていて、この人はきっとモテるんだろうなと思った。 その人はスタスタと教室を歩き、あたしの隣の席にドスッっと腰掛けた。 あんなに騒がしかった教室は、この人が現れたことで静まり返っていた。