◇◆みるくside◆◇


キーンコーンカーンコーン♪


「苺川、緊張することないからな」


「あ、はい」


そう言って先生は教室の扉を開け、堂々と中へ入った。


あたしは散ってしまい、青々とした葉をつける桜を窓から見つめた。


その桜があたしがはみ出し者だと叫んでいるようで、少し悲しくなる。



『実は今日、転校生が来たんだ』


扉ごしにあたしを紹介する先生の声が聞こえる。

『知ってる〜』


黄色い女の子の声。


その声に少し体が震える。


『じゃあ入ってもらおうか。苺川!入ってくれ』



その先生の言葉にクラスはシンと静まり返る。


あたしは扉に手をかけ、深呼吸をしてからゆっくりと扉を開けた。