手紙には見慣れたみのりの文字が、あの頃と同じように行儀よく並んでいた。

みのり、何も出来なかったのは俺のほう。
みのりにはたくさんのものをもらったよ。

希望
優しさ
人を愛する気持ち

みのり、守ってやれなくてごめんな。

頭の中が真っ白になって、床へ崩れるように座り込み、大声で泣いた。
次から次に涙がこぼれ、床に落ちていく。
拭っても拭っても、止まらない涙。
そんな涙が止まるまで、泣き続けていた。
みのりのお父さんが、母さんがしてくれたように背中を優しくなでる。
その手が暖かくて、余計に涙が止まらなかった。