僕は淡々とレジを打った








全部バレンタイン向けに



値下げした商品だった








『ありがと。友達来たみたいだからわたし行くね。おつかれさま』








『おつかれさまでした』







マキ先輩の姿が自動ドアから消えていった




日曜の夜でお客も来ないコンビニに


一人ぼっちになってしまった










と思ったら










マキ先輩が小走りに戻ってきた










そのまま真っ直ぐ僕のいるレジに来た








『ケイタ君・・・、これ・・・』








顔を真っ赤にしたマキ先輩が


僕に差し出したのは


さっき買っていったのとは


全然別のチョコレートだった








それだけ言ってマキ先輩は



今度は猛スピードで走り去ってしまった