『佐藤さんですか?
愛です。仕事終わりましたよ!』
初めての電話。

『待ってたよ。
お店出て駅の近くにある喫茶店にいるからおいで。』

『わかりました。急ぎますね?』

『ハハ…転ばないように
気をつけておいで。』


なんて優しい人なんだろう…

多分、普通の子達からしてみれば普通の優しさなんだろう、

だけど愛を知らない私は
すごく心が温かくなった。

『ありがとうございます。
ぢゃあ、またあとで。』

電話を握りしめ人通りの波に乗りながら喫茶店へ向かった―