「座る?」
最初に口を開いたのは蘭だった。
信也に対して言った優しい言葉。
「いや」
信也は蘭に控えめに呟いた。
信也は昔から蘭に控えめだった。
この前の1年の教室であたしとタイマンをした男。
安堂信也。
あたしの弟だ。
因みに不良もどき。
彼は不良だと思っているらしいけどあたしが認めない。
彼は唐突に「なんで」と聞いた。
「なんでオレをかばって自分だけ停学しやがったんだよ」
それを気にかけているならここに来るのではなく学校に行きなさいよ。
けど、彼がここに来なかったらあたしはずっとここに要るようになっていたのか。



