あたしは生徒会長の座を下り、
そして壇上を下りて列に並んだ。
群衆に入るとなんだか落ち着く。
自由を得たんだ。
もぅあんな過疎化状態の小さい店に用はない。
そう、あたしは自由を得た。
上にいる彼によって。
「奈津子」
いつの間にか隣に並んでいたユキナが眉を暗くしている。
口の中で飴を噛んでいるのかガリガリと音がする。
ユキナがここまで怒りを露わにするなんて珍しい。
あたしは「何?」という一声さえ出てこなかった。
何か嫌な予感がする。
それを確信させるような口調でユキナは言った。
「あいつを生徒会長にしちゃダメだ」