あたしは蘭の反応を窺おうと何も言わずに カバンからあの白い紙を取り出し蘭の前に見せた。 蘭は受け取り、顔をしかめた。 そして顔をあげると 「なっちゃんって人気者だね」 と苦笑いをした。 あたしはそれを鼻で笑う。 「ひっそりと過ごしたいものよ」 「華やかでいいじゃない」 「どこが。ドロドロよ」 苦いものを食べたような顔をしてみると 蘭はクスリと笑う。