「藤原?1人で帰れるから」

さっきと違って藤原に優しく言うた。

「信用出来ん」

低くて不機嫌そうな藤原の声。握られたままの手を引っ張られ有無も聞かずに連れて行かれた。

「藤原っ!
授業始まるのにええんか」

「それ以上、喋るな」

見たことがないくらいに低くて不機嫌な藤原、威圧的な声とは裏腹に、手は優しく握られている。

どうしていいかもわからず、言われたままに黙り込んだ。