「あかん、先、手当しよう」

「ええって!触んな!!!」

いきなり怒声にクラスメートは凍りついて誰も、こちらを見ようとしなかった。

「触んなちゃうやろ!
せめて手当てしてから来いや」
俺の大きな声に驚いたのか、高原は目を真ん丸くして俺を凝視した。

「ほっといたら治んねん…」

口を尖らせて拗ねたように言えば「大声出すなや、びっくりした」と高原は笑った。