美紗は叫んでからしまった、と思った。


これだけ大きい声で叫べば、りょうにも聞こえてしまう。


でも、後悔するのが遅すぎた。


次の瞬間、肩をがっちり捕まれていて。


「あれ?‥‥美紗ちゃん?」


覚悟を決めた美紗は、りょうを近くのカフェに連れ込んだ。





「いやぁ、相変わらず美紗ちゃんは可愛いね−。」


その言葉に美紗はいらっとする。


相当女慣れしてそうじゃないか。こいつは。


咲を傷つけといて。


「あの!浮気してるんですか?」


美紗は単刀直入に言った。


瞬間、りょうの眉がぴくりと動いたのを美紗は見逃さなかった。