プリントを拾って、


泣きたいのをこらえて、


あたしはプリントをホッチキスで留めながら、校庭を眺める。


もう空は暗くなっていて、


きっと大輔の委員会も終わっていて、


大輔は家に帰っていて、


あたしの事なんて頭になくて


あたしがこうやっている事も知らずに、


あたしが大輔を思ってることも知らずに、テレビでも見てるんだろうな。


ふぅ。


これじゃ当分、新しい恋できないかも。


大輔依存性?


「咲?」


聞きたいその声が聞こえた気がした。空耳か。


今、大輔がいるはずないし。


もうこんな時間だもん。