しばらくすると、人が入ってくる音がした。


「あのさー、もうすぐバレンタインじゃん。」


「そうだね。」


「メグはさ、誰にあげるわけ?」


メグって同クラの恵(めぐみ)ちゃんじゃん。


今、出ていくのは気が引ける。盗み聞きなんてするつもりはなかったけど、個室の中で息を潜めた。


「うーん。まだ決めてない。」


「でもさ、大輔くんでしょ?」


大輔??あたしの心臓がうるさく鳴りだした。


そう言えば大輔に恵ちゃん、この前コクってた!


「うん。でも前に振られたから‥‥まだ分かんない。
 けど、たぶん渡すよ。。。」


「まー、メグ頑張って。
 あたし、メグの事応援してるからさ。」


「ありがと!てかあたしもうメイク直ししたよ。」


「あっ、うちも。」


「じゃ、でよでよ。」