あたしは必死に記憶をたどっていた。 ゆっくり公園の中を歩きながら、しゅうさんが 「夏にね。何回か逢ったの覚えてない?」 「夏…?」 先月の事でも簡単にあたしの記憶は働かない。 「夏祭りでさー。 覚えてないかな?」 「…夏祭り…あかりと一緒に行ってて。あっ。けんちゃんの友達の?!帽子被ってた??」 「そお!それ!」 つないでた手に少し力が入った。