「…何故我を助けた?」

「貴方、今は‘人間’じゃないの」

優しく微笑んだら、ラフォーレはバッと思い切り私に抱きついてきた。

「えっ、ちょっ…」

「我は…人間なのにどうして…こんなことを…」

カイトの体を見てラフォーレは青ざめていた。どうやら‘神’でいた頃の記憶は無いみたいであった。

「ラフォーレ…‘神’の頃の記憶無いの?」

こくりと頷いてカイトの元に傷口を押さえながら向かっていく。よくみると白い液体はきちんと血になって流れ出てきいた。

「我が君をこんなに…」

「だ、大丈夫だ…お前の傷のがヤバいんじゃないのか?一応急所を切り裂いたんだし…」

「そうよね…ほらラフォーレ、座って。急所の手当だけするから」

「は、はい」