「でもさ、私が思うに伊桜は特別……って感じがするんだよね」

「特別?私が?」

「だって王子の本当の顔やメアドとケー番知ってるし、それに王子から触れるの伊桜だけらしいし」



確かにメアドとか本性を知ってるのは私だけなのは知ってる。でも煉から触れるのが私だけなんてそんな事……。

流石にそれはないでしょ。



「因みにその煉から触れるのが私だけって証言は何処から来てるの?」

「王子の取り巻きに決まってんじゃーん!!終業式に話してるの偶然聞いてさー」

「そ、そうなんだ……」



でも確かに良く思い返してみると、学校で煉が自分から女子に触れてる所を見た事ないかも……。



「取り巻き達の間では王子が伊桜の事を好きかもって噂、流れてるらしいよ」

「それはまた凄い噂だな……」

「まぁその噂はどうあれ、私から見ても取り巻き達から見ても伊桜は王子の特別に見えるって事よ」



『王子の気持ち確かめてみたら?』なんて莉紗は言うけど、そんなの出来たらこんなに悩んでないって。