◇◆◇◆


春休み5日目のお昼時。
煉が図書館に行くと出掛けてしまい遣る事がなくなってしまった私は、莉紗を呼び出し駅前のスタバでカフェタイム。



「王子に告ったんだ!!で?返事は!?」

「それが何も言われてないんだよねー」



手元にあるキャラメルマキアートをくるくるとストローで混ぜていると、店内が賑やかにも関わらず『はぁぁあ?!』と莉紗の大きな声が響き渡った。

私達に向けられた周りの視線を気にする事なく莉紗は話し始めた。



「何も言われてないって……キスまでしてるんだよね!?」

「あ……うん、まぁ……」

「それってさぁ……」



一旦口を閉じ、何か言い難そうな表情を向けてくる彼女に向かって首を傾げた。



「ひょっとして遊ばれてんじゃない?」



莉紗の言葉に私の手の動きが止まる。


『遊ばれてる』

この言葉が頭の中で木霊し離れない。


そして私達の間に沈黙が続く……かと思えば再び莉紗が口を開く。