数歩進んだ所で足を止め、2人の方に振り向いた煉。



「コイツは俺ンだから2度と手ェ出すなよ?出したらどうなるか……わかってるよな、オニイサマ方?」



何時もの悪魔……否、魔王とも言える笑顔を向けてそう言うと2人は顔を真っ青にさせて走り去って行った。

私の腕を掴んだ儘、煉は歩き出した。



「お前ってホンットに馬鹿だな」

「は!?イキナリ何よ!!」

「公共の場で『股開く』やら『ヤリ目』とか叫んでんじゃねぇよ、ある意味公然猥褻」



羞恥心ねぇの?そう言って私の腕から手を離して一歩前を歩く。



「でもまぁ……」

「まぁ……何よ?」



私が聞き返すと煉は足を止めて90度身体を私の方に向ける。

約50センチくらい距離をあけて煉に釣られる様に私も足を止めた。