何時もの王子ボイスで名前を呼ばれ、私はゆっくりと視線を正面に向けると真っ直ぐ私を見詰める小桜池くん。
彼の手には何故か私の下敷き。
「コレ、落ちたよ」
「あ……有難う」
下敷きを受け取ると一瞬だけ視界に入った嫌味たらしい笑顔。
寄ってきた女子に声を掛けられると、直ぐ様王子スマイルになる。
偽りの笑顔でキャーキャー騒ぐ女子を前々から馬鹿みたいだと思ってたけど、彼の本性を知ってしまったからか余計彼女達が馬鹿みたいに思える。
「伊桜、顔引きつってる」
「うん、そうだろうね」
ヒーターを囲む人集りに混ざる莉紗の隣に入ると、イキナリそうツッ込まれた。
だって自分でもわかるくらい小桜池くんの変貌ぶりに顔が引きつってる。
本当、あんな裏表激しい人の何処が良いんだろう……私にはわかんないわ。
