突如私の背後から聞こえて来た声に、男2人が動きを止めた。

その瞬間、私の隣に立ち背中を押していた方の男が地面に倒れ込んだ。



「嫌がってんのに無理矢理連れて行こうとしてんじゃねぇよ。つか、俺の行く道を塞いでんなボケ」

「……っせぇ、テメェには関係ねぇだろ!!」



私の腕を掴んでいた男が後ろに居る人に殴りかかった。

だけども呆気なくその男も地面に倒れ込んでしまう。


うわぁ……弱っ。



「チッ、覚えとけよ……!!」



古臭い逃げ台詞を吐き捨てて2人は走り去って行った。

こうして見ると、本当に特撮モノの弱い敵みたいだね、あの2人。



「楠原伊桜」

「へっ!?」