「流石は王子、行動さり気なー」
「…………」
「伊桜っ?」
「へ?あ、御免っボーッとしてた」
私の顔を覗き込む莉紗に笑顔で返すと同時に予鈴が鳴り、私達は自分の席へと戻る。
ボーッとしてたなんて嘘。
本当はあんなにスマートな行動が執れて王子様そのものだと感じさせる彼が、あんな最低な俺様男な筈ないって思ったんだ。
でもさっきの言葉……何処か見透かされてそうな感じがしてならない。
きっと声が似てるだけ、自分の思い過ごしだと暗示を掛けてノートを取る事なく、ただ黒板を見詰める。
「ふぁ……寝よ」
急に睡魔と言う甘い誘惑が襲い掛かり、私はその誘惑に負けて本日2度目の睡眠学習を始めた。
暫くこの感覚を味わっていたい程。
ふわふわ、ふわふわと深い眠り夢心地。
放課後に見る悪夢にも似た現実を目の当たりにする事を知らずに、午後の授業を私は眠り続けた。
