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「ちょっ……煉、離して……っ」

「無理、禁止っつったのに上目遣いした伊桜が悪い」

「まだ昼間だってばー!!」



苑くんの宣戦布告を受けて初めての週末、本当に私の家にやって来た煉。

引っ越し業者使って来るもんだから、お父さんが最初は何事かと思って慌ててたのには申し訳ないけど笑ってしまった。

荷物を一通り片付け終えた煉が私の部屋に来るなり意地悪ばっかりしてくるから、無意識に上目遣いしてしまったらしく……煉さん絶賛欲情中だったり。


一階にお父さん居るんだから勘弁してー!



「しっ、下にお父さん居るし……っ」

「伊桜が静かにしてれば大丈夫」

「鬼!変態!」

「ほぅ……もう止めねぇ、決めた」



ぎゃー!何やってんの私!

止めてもらう所か、逆に火ィ付けてどうすんのさ!もういっその事お父さん来て!そして私の部屋に入るのを禁止して!


──コンコン



『?』



音のする方を向くと窓。

割と大きめの窓だから押し倒されてる私でも、ノックした人の姿が見えた。