「何ニヤついてんだよ」

「別にニヤケてなんか……!つーか、週末からって煉のお父さんは大丈夫なの?」

「あぁ、親父も一人暮らし慣れてっから特に問題ねぇと思う」



そう言って煉は私の手をひきながら立ち上がると、私の耳元に顔を寄せた。



「伊桜がウチに来てくれても良いんだぜ?」

「なっ……!?」



ほぼ0距離で聞こえる煉の甘くて低い声に耳と顔が赤くなっていくのがわかる。

てかわざわざ耳元で言わなくても……。


煉の方を向くと唇が触れてしまいそうな距離で、更に自分の顔が赤く熱くなるのがわかる。



「何、期待しちゃってる?」

「べ、別にしてないし!」

「へぇ……ま、取り敢えず週末から宜しく」



と言うわけで、苑くんの挑発に乗せられてしまった煉との同居生活が、週末から再び始まるのが決まったのだった。