裏表プリンス




マジ何なの莉紗!!意味わかんない!!

てかこの教室って内鍵ないじゃん……授業出れないしどうしよう!


心の中で焦る私とは全く逆に煉はとても冷静で、何故か教室内のカーテンを全部閉めている。



「煉!早く教室戻らないと……」

「あぁ、次の授業は自習になったって」

「はぁ!?ソレもっと早く言えし!!じゃなくて課題どうすんの?!」

「ないみたいだから安心しろ」



そう言って私にメール画面を見せた煉は近くの椅子に腰掛ける。

私はメールの送り主に驚いてその場で固まってしまった。



「何で那智から煉にメール!?」

「何でって、アドレス教えたから以外に理由なんてなくね?」

「それは……そうだけど」

「てか菊川に『俺らの前でも素で良い』とか言われたんだけど、あの約束……忘れてないよな?」



実験台に頬杖をつきながら私を見る煉の表情はまさに魔王の笑み。

ゾッと背筋に悪寒が走る。