『伊桜!!』
「莉紗!!那智まで……何でここに?」
実験室に入って直ぐの席に食堂で別れた筈の莉紗と那智が座っていた。
2人は私を見て取り巻き達に何もされてないとわかったのか、ホッとした表情を見せる。
大丈夫だって言ったのに……本当、心配性なんだから。
「何で2人共、実験室に居るの?」
「伊桜が俺の取り巻きに連れて行かれたって粒木達が教えて呉れたんだよ」
「んで何故か王子にココで待ってろって言われた訳ー」
成る程ね。でも偶然とは言え、良く煉と遭遇出来たなぁ……。
そう思いながら2人を見ると、教室へ戻ろうと立ち上がった所だった。
時計を見ればもう少しで5限目の予鈴が鳴る時間だ。
「んじゃ、俺達は教室戻るわー」
「じゃあ私も……」
「伊桜は王子と一緒に居なさーい!」
「はぁ!?ちょ、莉紗待ちなさいよーっ!!」
意味深な言葉を残し、扉を外から施錠して教室へと戻って行った。
