『……苑と何話してた?』

「えと……なんか話あるから、放課後になったら図書室来てって」

『で?何て応えたんだよ』

「煉も一緒で良いなら……って」



少し離れた保健室から表情は見えないけど、電話越しにククッと聞こえて煉が笑っているのがわかった。


あれ?私、今何か変な事でも言った?

煉の笑いのツボってイマイチ良くわからないんだけど。

私は頭の上に『?』を浮かべてそのまま煉の方を見続ける。



『何、そのアホ面』

「あ、アホ……っ!?そんな顔した覚えないんだけどっ!!」

『冗談だっつの。放課後になったら図書室まで一緒に行くから絶対ぇ先行くなよ』

「わかってるって、煉こそ先に行ったりしないでよね?」



『わかってるっつの』そう返されて私達は電話を切った。

視線の先に居る煉の姿が消え、私は莉紗達の方へと視線を戻す。


てか……何で煉は保健室に居たんだろ。

怪我したとか具合悪いとかそんな風には見えなかったけど……。


ま、考えるだけ無駄か。