『何が?』って聞こうとしたら唇を塞がれてしまった。しかも直ぐに離れる事はなく、深くて甘い脳まで痺れるキス。

離れたと思えば再び深く重なる唇。



「んん……っ、は……」

「……伊桜」

「ん、な……に?」



漸く離れた唇。呼吸を整える私の頬を指で優しく撫でる煉。

撫でられてる頬が何だか擽ったくて、でも何処か心地良くて私は少し顎を引いた。



「お前、上目遣い禁止」

「……は!?イキナリ何!?」

「上目遣い禁止っつってんの、良いな」



禁止って……まず上目遣いなんてした覚え全くないんだけど。

なんて思いながらも取り敢えず返事を返すと煉はドアに向かって歩き出し、私もその後に続いて歩く。



「取り敢えず明日から毎日送り迎えすっから、朝は寝坊すんなよ」

「はーい!!」



教室に着いた後で、私は莉紗の質問責めにあったのは言うまでもなく。


新学期、4月。

春の嵐が吹き荒れると共に、この恋に大波乱が巻き起こる。