学校の最寄り駅まで約5分。


……煉、この髪見てどう思うかな。

この短時間でも鏡を見てメイクが崩れてないかチェック。


車内アナウンスが停車を知らせ、鏡を鞄の中に仕舞って降りる構えを取った。流石は通勤ラッシュ時間なだけあって、ホームも利用客で溢れている。

人波に揉まれ漸く改札を通った所に莉紗の後ろ姿を捉えた。



「莉紗おっはよー!!」

「おは!!おぉ大分イメージ変わるじゃん、似合ってる!!」

「有難ーう!!」



学校まで真っ直ぐ続く道を歩きながらクラス替えの話題で盛り上がる私達。

次第に正門が姿を見せ、徐々に周りも話し声で賑やかになる。そして真っ直ぐに向かうのはクラス表の貼られている昇降口。

そこには既に自分のクラスを確かめる生徒で犇めきあっていた。



「あっ伊桜、今年も同じクラスだよ!!」

「うっそ、マジ!?やったねー!!」



莉紗とまた同じクラスな事に喜びながらも表から目を離さずあの人の名前を探す。