「好きでもねぇ女に触れたいとか思わねぇもん、俺」

「そ、そう……なんだ?」

「だから学校でも伊桜以外の女に触れた事なんてない」

「………………っ!!」



真っ直ぐ私に向けられる視線。

今更になって見詰められるのが恥ずかしくなって顔を逸らした。


莉紗から聞いた噂は本当だった。

だとすると煉が初めて触れてきたのは教室の入口を私が塞いでいた時。

……触れたって言っても髪だったけど。それって、私が煉を好きになる前から好きだったって事だよね!?


ヤバい、口元ニヤケるんですけど!!



「……何ニヤついてんだよ」

「へへっ、秘密っ!!ねぇ煉?」

「ん、何だよ?」



テーブルに頬杖をついてこっちを見る煉の耳元に口を近付け囁いた。



「大好きだよっ」

「……知ってる」



オモチャと言う関係を乗り越え、王子様と両想いの恋の始まりです。