おたおたとその場で漂っていると、少し考えこんでいたハルくんが、
倉庫のほうへ駆け出した。
あたしはあわてて彼の後を追いかけた。
倉庫の前にくると、扉に鍵がささったままになっていた。
ハルくんは急いで鍵をあけ重い扉をひらいた。
すると、むわっとした空気が放たれ、中で倒れているあたしの姿がみえた。
「神崎!!」
ハルくんは驚くほどの大声で叫んだ。
あたしはぐったりとしたまままったく動かない。
ハルくんはあたしを抱き上げると、真っ赤に火照った頬をぺちぺちと叩きながら呼び掛けた。
「おい、神崎、神崎、大丈夫か!?おい!!
くそっ!」
ハルくんはあたしを抱き上げると、そのまま保健室へ走った。
「先生、早く診てください!!」
「どうしたの!?」
保健室に飛び込んできたハルくんの取り乱しように、保健の先生もただ事ではないと感じたのか、慌ててあたしに近づいた。
「熱中症になってるわ!早くこっちに寝かせて!!」
「はい!!」
…………
………………
「もう大丈夫よ。」
「ありがとうございました。」
「いいえ、でもよかったわ。もう少し発見が遅れてたら大変なことになってたわ。お手柄だったわね、多賀城くん。」
「いえ。じゃあ、俺はこれで」
「あら、神崎さんもうすぐ目を覚ますと思うわよ?」
「はい。だから、俺より那月がいたほうがいいと思って。呼んできます。」
「あらあら、そう?」
「はい。じゃあ、神崎さんをお願いします」
【ハルくんだったんだ…】
そして、あたしは再び高校生の体へと吸い込まれていった。

