真っ赤な熟れたトマトみたいな顔でなっちゃんの後ろ姿を見送るあたしの横に、花菜がストンと座った。
「なになに!?そんなに頬そめちゃって。」
花菜がにやにやとこちらを見てくる。
「もしかして…勝ったらご褒美に一発やらして、とか言われた?」
「一発!?ち、ち、ちがうよ!!」
「なによ~照れちゃって。可愛いいな~」
花菜があたしの頬をつんつんと押してくる。
「一発とか…あたし達まだそんな…キスだってまだなのに。」
「あ~だよね~…って、ええ!?」
「え!?」
あまりの花菜の驚きように、逆にこっちが驚いた。
花菜は大きな目をくりくりさせて、信じられないと言わんばかりの顔であたしをみた。
「あんたら、もう5ヶ月近くつき合ってるじゃん!!」
「うん、10月でちょうど半年。」
「あんなに毎日イチャイチャ一緒にいるくせに!」
「イチャイチャって」
「あたしに何の報告もないからまさかとは思ってたけど…」
「いや、そういう事って報告するもの?」
「はあ~信じらんない。今時の高校生が。
大正時代か、あんたらは。」
「だ、だって…」
花菜は何度も、ほんと信じらんない、と大げさに首を振った。
「でも、」と、優しく微笑みながら、あたしの頭をぽんと撫でた。
「なっちゃん、あかりのこと本当に大切にしてるんだね。」
「…うん。」
なっちゃんはあたしをすごく大切にしてくれてる。
本当に、まるで真綿でくるむように、大切に守ってくれる。
そんななっちゃんに、あたしはいったいなにをしてあげれるだろう。
なにを返してあげれるんだろう。
あたしが持っているものは、“なっちゃんがスキ”というこの気持ち。
溢れんばかりのこの想い。
あたしはこの気持ちと共に、ずっとなっちゃんの隣にいたい。
ずっと、ずっと…

