あたし達が付き合っているのは、もはや周知の事実。
先生達にさえしれわたっていた。

“嘉瀬那月の彼女”それだけで、付き合いはじめのうちはファンの女子からの軽いイジメを受けたこともあった。
あたし自身は、花菜もいたしほとんど気にしてはいなかったが、なっちゃんはすごく心配してくれていた。

でも1学期も終わりの頃になると、すっかりあたしは彼女として定着し、一部の熱烈なファンをのぞけば、はじめの頃ほどの誹謗中傷をうけることはなくなっていた。

ただ、そんなことがあったから、なっちゃんの心配性に拍車がかかり、それが最近の悩みの種でもある。
そうやって、なっちゃんがあたしに過保護すぎるのが、一部の熱烈なファンの方々のかんにさわるわけで、そこのところはまさに悪循環。

でもまあ、なるようになるだろう、とあたしは呑気に考えてしまっていた。