「あれ?あたし…」

あたしは重い頭痛のする頭を押さえた。
そしてふと自分の手を見てみれば、それは見慣れたあたしの手。
さっきまで確かに高校生だったのに、今はまたもと通りの31歳。歳を重ねた『現在のあたし』の身体だ。


「さっきのは、一体…」

夢?
それにしてはリアル過ぎたような…

まだ朦朧(もうろう)としていると、あの黒いエプロンのお兄さんがひょいと目の前に顔を覗かせた。


「や!具合どう?
あ~その様子だとちょっとツラいみたいだね。
まだ次があるんだけど、どうする?」

「なんの…こと?
一体なにが起きてるの?」

朦朧とする意識のなかで、あたしは必死に言葉を紡ぎだした。
そんなあたしに、青年はニッコリと笑って、信じられないような事を口にした。