「あれ?そういえば、あかり、あんた部活は?」
花菜がふと顔をあげた。
「こんなことがあったから、しばらくは部活動停止だって。さっき、顧問の大和先生から連絡があったの。」
「そっか。」
そう、いつもなら、今頃とっくに部活が始まっている時間。
なのに…
なっちゃんの帰り際の笑顔が脳裏をよぎった。
ぎゅっと胸が締め付けられる。
「ほんとに、一体だれが、何でこんなこと…!」
『過去(ここ)』でもまた何もできないのか。
あたしは強く唇を噛み締めた。
あたしの頭を優しく撫でてくれた花菜も辛そうな表情をしていた。
花菜がぽつりと呟いた。
「それにしてもさあ、真犯人はどうやって部室に入ったんだろ?」
あたしはガバッと顔をあげた。
「そうだよ!どうしてそこをもっと早く考えなかったんだろ!!」
『誰が』ばかりに気をとられて、『どうやって』の部分をまったく考えていなかった。
あたしのバカヤロー!!
自分で自分を殴り飛ばしたい気分だ。
「な、なになに!?あかり、どうした?」
「それだよ、鍵だよ!!
花菜、職員室に行こ!理由は行きながら話すから!!」
あたしは勢いよく立ち上がると、花菜の手をとりそのまま一目散に走り出した。

