Believe~奇跡の鼓動~


そのとき、教室の後ろのドアが乱暴に開いた。
そこに立っていたのは、明らかに苛立った様子のなっちゃんだった。

突然のことに、みんなが静かに見守る中、なっちゃんは鞄だけとると無言のまま足早に教室から出ていった。

あたしは慌ててなっちゃんを追いかけた。


「なっちゃん!」

やっと追い付いた時には、あたしは息も切れ切れで、呼び止めるのがやっとだった。

「…」
なっちゃんは振り返らないまま止まった。




「なっちゃん!」

「なんだよ」


「なっちゃん!」

「だからなんだよ!」
振り返ると同時に彼は丸い目をさらに丸くした。

「あたしなっちゃんの事信じてるから!
絶対なっちゃんの無実を証明してみせる。
だから、なっちゃんもあたしを信じて!!」


しばしの沈黙のあと、なっちゃんがくすりと笑った。

「すげえ顔」

言われて初めて、自分の顔の惨状に気付いた。
あたしは慌てて涙と鼻水が混濁した顔をタオルで隠した。

すると、タンタンッと足音が近づいたかと思うと、いきなりタオルの上から顔をわしずかみにされた。
びっくりしてもがいていると、あはははは!と大好きな笑い声が響いた。

そうっと、自由になったタオルから顔を覗かせると、そこにはいつもの笑顔の彼がいた。


「ありがとな、あかり。」
なっちゃんはあたしの頭をがしがしと撫でると、とびっきりの笑顔をくれた。

「じゃーなあー、寂しがんなよ♪」





なっちゃんは、処罰が決まるまで自宅謹慎ということになったのだと、後で先生からきかされた。