でも、なっちゃんは他人に恨まれるような人じゃない。
まあ確かに、ちょっとお調子者なところはあるけど、みんなに優しくて、親切で。
だから考えられるのは、恋愛がらみじゃないかとあたしは思っていた。
なっちゃんにふられた女子、もしくは好きな子になっちゃんを理由にふられた男子による逆恨み。
それならありえる。
そして、そこを重点的にマークしていれば、必ず犯人へたどり着けるはず!
あたしはそう確信していた。
でも、記録を始めて3日目にして、あたしはその大変さを思い知らされる。
ただいま3日目のお昼休みにして、告白されることなんと早五回!!
1日二回ペースかよ!!
どんだけだよ!!
しかも、『なっちゃんの事が好きらしい』女子については情報収集がおいつかないほどだ。
むしろ嫌いな女子を調べたほうが早いかも…
あらためて、なっちゃんの女子人気を思い知らされた。
学校中がまさにファンクラブ状態。
まあ、その想いの深さは人それぞれだけど。
「こりゃやっぱり、『好きな子をとられた男子』の線かな」
五回目の告白を見ながら、茂みのかげでぶつぶつ言っていると、急に肩をたたかれ、あたしはビクンと飛び上がった。
「なにしてんの?」
「あ、ハル君」

